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あらすじ

 豊玉姫の伝説が伝わる小さな神社。

 一人の女性が、連日境内の古びたベンチに座っている。

 かつて、幼い息子を亡くした女性は、我が子を陸において海に帰らざるを得なかった豊玉姫に、自身を重ねることで最愛の息子を亡くした傷を癒やそうとしていた。
 その神社に時々現れる謎の青年との交流。女性を心配する夫。女性の心の傷に寄り添う、太古の昔からこの地に生きる神話の世界の住人たち。
 土地、命、そして連綿と流れる時間。現代と太古を往還しながら、人間の生の営みを描き出します。

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