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  • 執筆者の写真宮崎県立芸術劇場

三浦さんインタビュー

 出演者の一人、広島出身の俳優・三浦真樹さんにお話を伺いました!三浦さんは、三重県を拠点に国内外で活動する劇団「第七劇場」の俳優です。今回は、幼い息子を亡くした女性の前に現れる謎の青年を演じます。

謎の青年という役ですが、演じていてどうですか。

 私がよくやる役は、暗い感じでマイナス思考、笑顔を見せないキャラクターが多いんですけど、今回の役は初めての、笑顔を見せるキャラクターですね。普段もあまり笑顔は得意じゃなくて、慣れていなかったんですけど、稽古場の空気感のおかげで、自然とできていると思います。これまでとはちょっと違う扉を開けてみようかなと(笑)。


今回の座組について

 宮崎出身の弥生さん(中野弥生さん)と哲さん(河内哲二郎さん)、その二人から宮崎の空気感ができあがっている感じがしますね。二人の掛け合いや方言指導の様子、普段の会話から、宮崎弁のやわらかさとかを盗んでいます。あの二人で稽古場が盛り上がる感じもあって、本当に過ごしやすいです。

 今回、初めて共演する人ばかりですし、同世代の人(五島さん)と共演するのもかなり久しぶりです。これまで同世代と共演する機会がほとんどなく、こうして共演できてうれしいですね。それぞれが学んできたことややってきたこと、こういう風にやっているんだという発見があって、刺激的です。


稽古前にハードなウォーミングアップをする三浦さんと五島さん。


広島ご出身で、大学は東京、そして三重の第七劇場と、いろいろな土地で生活されていますが、今回宮崎に滞在していてどうですか。

 劇団のツアーでも各地を巡っていますが、今は冬の季節なのに気持ちよく過ごせています。それほど寒くなくて、雪も降らないですし。

 この前、稽古が休みの日に平和台公園に行ったんですよ、すごくいいところですよね。塔の前で手を叩いて、ビンビン音がするのもやりました(笑)。この季節なのに、みんなが集まって、散歩したりジョギングしたりするところがあるのは、すごく素敵なところだなって。気持ちが良いです、過ごしていて。


あらためて、『幻視』はどんな作品ですか?

 すごく衝撃的な事件とか、大きな“こと”が起きることはなくて、そのことに最初は戸惑いもありました。けれども、めったに大ニュースが起きない地域において、家庭的というか、柔らかくて静かに“こと”が起きている。そういう家族のお話ですね。そこに豊玉姫伝説が混じり、静かだけど空間がいろいろなところに飛んで、神話と重なり合っていく。そしてそれが宮崎で、宮崎弁で作り上げられることで、さらに柔らかさが高まって、冷たいというより温かい作品になっていると思います。言葉が方言になることで、作品の深さ、重さっていうものが変わるんだなと実感しています。役者一人一人や、この作品に関わる人たちの感じ方もそれぞれ違って、こういう読み方もあるのかと、この作品に対する見え方は一つじゃないんだな、それがそのままお客様に届いたらいいなって思います。

演出の立山さんについて

 まず役者がやることをすごく大切にしていただいてて、一緒にやっている、寄り添ってもらってるという感じがしますね。一つ一つ話し合いながら作っていくというのが、いいなと思います。


これまであまりやったことのない役と、先ほどおっしゃっていましたが、難しさを感じますか?

 方言の難しさもありますが、ちょっとした心の動きや変化を表現することの難しさを、あらためて感じていますね。激しい“こと”が起きるわけではなく、“聞く”というシーンが多くて、そのときに自分の体の状態、どうやったら体が聞いている感じなのかなって。ちょっとした動き・姿勢で見え方が違うと思うので、そこが難しいですね。一つ一つの動きに意味があるので、無駄に動いちゃいけない、かといって段取りや型通りになってはいけない、自然にやらないといけない。だからこそ稽古を重ねて、本番まで詰めていきたいです。

 けれども、変な苦しみはなくて、自分でこうやろうと思っていることを、自然に出させてもらっている感じはします。難しいけれども楽しくできていると思います。変に力まず、緊張せずにできているというのは、この座組のおかげと思っています。ありがたいです。

意気込み

 宮崎の若者に見えたら良いな(笑)。宮崎の人に見えたら良いなっていうのは、一番の願いですね。僕がこの作品の中で、登場人物全員との関係性の中で、何かしらの存在というか、つながりみたいなものが見えたら良いなと思います。浮きもせず、沈みもせず、同じラインで。

 あとは楽しみたいです。ガチガチにならずに、一回一回の芝居で起きていることに、反応して楽しめたら良いなと思います。


三浦さん、ありがとうございました。


現地視察の1コマ。青島神社の瓦投げに、チャレンジする三浦さん。


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